こんにちは!
前回の記事で、MBAのスケジュールや概要をまとめたので、今回から各授業の内容について、シェアしたいと思います。時系列順でAccounting&Finance (24.9月-受講)から始めます!
まず、Accounting&Financeとは、会計・財務(ファイナンス)のことで、企業会計(帳簿)の考え方から外部への開示、内部の管理会計、資金調達まで、基礎的な内容を幅広く学ぶ科目でした。
Accounting&Financeの授業はどう進むの?何が成績の基準になるの?
アウトライン
科目の構成としては、①33時間:講義への出席、②35時間:個人課題への取り組み、③22時間:予習・復習、④10時間:個別質疑・議論という設定。
(1)講義の進め方
教授のパワーポイントに沿っての講義と、その場で課題を解き、質疑応答する形式で進みました。
一般的には非常に眠くなる科目ですが、教授がアカデミックな世界だけではなく、企業と共同プロジェクトした経験も豊富にあり、実務に即しているため、大変面白く話を聞けました。
理論はこうだけど、実際にはこうだよね、どう思う?という話し方をしてくれるんです。
またコミュニケーション力が高く、いい感じに生徒へジョークも飛ばし、軽快に授業が進みます。質問もしやすい雰囲気で活発な双方向の授業でした。
中華系マレーシア人の50代くらいの快活な教授が、休憩時間に、日本人の私や台湾人の友人に、「私の祖先も中国からきているから、昔は君たちのような肌の色だったんだよ。でもこの国で育ち、太陽を浴びているうちにこんなに日焼けした色になったんだ!ははは~」と話してくれたのが印象的でした。コロナ以前は中国へのスタディツアーも自身で企画して学生を連れて行っていたそうです。朝まで皆で飲み歩いていたとか(教授とは思えぬ陽気さです)。
イスラム国家であるマレーシアにおける飲酒については、面白い気づきもあったので、また別の記事でシェアします。
(2)個人課題
-Financial analysis (2,000words) ‥ 11/7〆切
自身で対象企業を選び、アニュアルレポートやその他財務情報をもとに、競合他社と比較しつつ、収益や財務状況、経営戦略を分析し、将来への提言をするというもの。具体的な競合との分析指標としては、Long-term solvency(長期的な支払い能力)のリスク比率を測るためのGearing(D/Eレシオ)や、短期流動性リスク比率を測るためのAcid ratio(=当座比率or 酸性試験比率)、そして収益率を評価するための純利益率やROE、在庫回転日数を使用しました。算出結果を評価したり、提言に繋げるためにアカデミックな論文や議論と結びつけなくてはいけない点が難しかったです。
-Costing and decision making (1,000words) ‥ 11/21〆切
上記の対象企業について、重要な固定費が何か(サポートエビデンスと共に)、コロナ禍やそれ以降のボラティリティ時代においてどのような影響を及ぼしているか、ボラタリティティの激しい事業環境における予算システムの重要性(理論的背景とともに)を論じよ、という内容でした。この問題に関しても、勉強不足で、理論的な背景や実例が不足してしまいました。
-Corporate financial management (2,000words) ‥ 11/21〆切
こちらはある架空の企業の仮定の投資プロジェクトの条件が提示され、与えられた情報に合理的な仮定を加えて、求められた数字を算出し、算出結果をアカデミックな論文や理論をもとに議論するというものが2問と、課題2までの続きが1問でした。1)その投資に対する資本コストを計算し、その前提を理論に基づき正当化するもの、2)NPVとIRRを算出し、この投資プロジェクトが実行されるべきかを議論するもの、3)課題2までで使用した企業について既存の資金調達ポリシーを評価し、改善のための提言をするもの(関連する文献の資本構造や資本調達に関する理論を使用すること)。キャッシュフロー見通しを作成するのが人生で初めてだったので、これは一番難しかったです。教授のエクセルの見本と日本語テキストを照らし合わせながら苦戦しました。
(3)予習・復習、おすすめ本
事前にテキスト等を読むことが推奨されていました。
マレーシアなのか、この大学特有なのかは不明ですが、テキストブックはいくつか選択肢があり、かつ、オンラインライブラリーから無料でアクセス可能だったりもします。下記3の3つが最もおすすめとして挙げられていました。
-Walton, P. & Aerts, W. (latest edition). Global Financial Accounting and Reporting:Principles and Analysis. Thomson Learning [WA]
-Glynn, J., Murphy, M. Perrin, J. & Abraham, A. (latest edition). Accounting for Managers. Thomson Learning [GMPA]
-Pike, R. & Neale, B. (latest edition). Corporate Finance and Investment: Decisions and Strategies, FT-Prentice Hall. [PN]
しかし、上記はオンライン版がなかったので、私は下記2冊を参考にしました。もともと、会計に関しては、何冊か日本語で本を読んでいたので、会計英語に親しむ目的で「Amazon.co.jp: ゼロからはじめる英文会計入門〈第3版〉 : 建宮 努: 本」や「Amazon | HBR Guide to Finance Basics for Managers (HBR Guide Series) (Harvard Business Review Guides) | Harvard Business Review | Finance」を事前に読んだのと、コーポレートファイナンスには疎かったので「道具としてのファイナンス | 石野 雄一 |本 | 通販 | Amazon)」を片手で辞書のように使いました。
また、教授が毎度授業を録音してくれているので、慣れないマレーシア英語が聞き取れなくても、何度も聞き返すことができて、助かりました。ただ、やはり、ある程度会計英語を学んでおくことは有用だったと思います。それでも知らない英単語が沢山出て、調べながら授業をついていくのが大変でした。
どんな内容を学んだ?仕事や将来へ生かせる点は?難しかった点は?
学習内容の振り返り
(1)学習トピック
①財務報告の基礎
財務会計のルールや機能、バランスシート等について。
-財務会計の機能:会計取引を特定・記録し、集約の上、外部へ報告、外部の利用者や意思決定者 へ届けること。
-内部統制(Internal Control):会社のマネジメント層によって財務報告の適法性・有効性・信頼性が担保されるように監視・運営されるプロセス。内部監査(Internal Audit)や外部監査(External Audit)によって更に確認される。
-コーポレートガバナンス:Agency理論の根本的な懸念である経営者の自由な行動をどのように外部の利害関係者によって制限するか?取締役会とCEOの分離・独立、監査委員会等。
②財務報告書の成り立ちと取引の影響
-財務報告書により、企業の財政状態(Financial position)に関する情報と経済的資源(economic resources)および、請求権の変動に関する情報 (claims result from that entity’s financial performance and from other events or transactions)を提供。
-財政状態に関する情報
財務状況を迅速に把握できるよう、財務取引をサブカテ ゴリー(資産、負債、資本)に分類。
★資産 = 資本(自己資本)+ 負債
★資産 − 負債 = 資本(自己資本)
★純資産 = 資本(自己資本)
-資産は、流動資産と非流動資産に分類される。負債は通常、流動負債と長期(非流動)負債に分類される。
-流動資産(Current assets)
現金に加え、今後1年以内、または通常の営業循環期間(例:現金 → 仕入 → 在庫 → 販売 → 売掛金 → 現金回収まで)が1年を超える場合にはその期間内に、現金化・売却・消費されると見込まれる資産。
-流動負債(Current liabilities)
今後1年以内、または通常の営業循環期間が1年を超える場合にはその期間内に、支払期限が到来する負債。
-損益計算書(Income Statements)
財務諸表の利用者の多くは、企業が長期的に利益や配当を生み出す能力に関心を持っている。この情報は、損益計算書に示されている。
とすみません、、多くの方にとってつまらない内容を長く書きすぎました。
ここから少し省略すると、あとは下記の項目を学びました。
③財務報告書の分析(導入)
④財務報告書の分析(応用)
⑤サステイナビリティの報告
⑥管理会計の基礎:コストと経営上の意思決定
⑦予算策定と統制
⑧財務管理への導入(財務手法を含む)
⑨資本投資の意思決定1
⑩資本投資の意思決定2
⑪資本構造と配当の方針
こういった内容は会計の基礎であり、どんな本にも載っていると思います。ただ、一般的なビジネス書と異なるのは、ノウハウや答えを提示するだけではなく、議論や論点を学び、自ら考えさせることにフォーカスしている点だと感じました。例えば、投資の意思決定をする際にNPV、IRR、投資回収期間、のどの指標を使うかの議論だったり、最適な資本構成とは何か(株式発行?社債?‥)?だったり・・こういった専門家の中でも学説がわかれたり、素人の我々に考えさせる機会を与える点が面白かったです。
(2)将来へ生かせる点
営業担当であれば顧客の財務状況の分析に活用できますし、企画担当であれば、投資プロジェクトや予算管理、グループ会社の財務管理、といった仕事に必要な知識や考え方を学べると思います。
実際に手を動かして計算する形式が多かったので、実践的でした。また教授も理論と実践の違いや難しさをよく理解されている方だったので、より活用できるものとなりました。
(3)足りなかった点・今後深めるべき点
一方で、全くの基礎からの講義内容となっているため、企業のケーススタディは少なかった。もちろん航空業界を例にとって説明をしてくれたが、もう少し実例を調べて学びを深めること、また、財務諸表に慣れて迅速に分析できるようにすることが今後の課題と感じました。
例えば、株の売買等の際にも使える知識なので、定期的に企業の財務諸表を見て、分析を継続していきたいと思います。
入社3年目で販売予算策定を担当して、限界利益が何かもよく分からず、「もしかして数字苦手?」と上司に聞かれ、「ばれました?」と答えた苦い経験がある。
その後別の部署でも別の上司に「数字に強くなれ!」と20人の前で怒鳴られました。
苦手だからこそ、今からでも数字に強くなりたい!!
数字というものが病的に頭に入らず苦手なだけ(語呂合わせなら頭に入る)で、決して嫌いではないんです。むしろ定量的な説明や分析は性格的には好き。好きこそ物の上手なれ、という言葉を忘れず、大器晩成を目指して、精進したいと思います。MBAの課題を通して、訓練あるのみ、と少し気持ちが前向きになれました!
↑情けないエピソードでこのページを締めくくることになりますが、、こんな人でもMBAに挑戦できるんだと思ってもらえれば幸いです笑


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